創業150年、台町の料亭・田中家は、坂本龍馬の妻、おりょうが勤めた料亭として有名です。
江戸時代、海の眺めを楽しむため、台町の坂道沿いにはたくさんの腰掛け茶屋が並んでいました。その様子は、安藤広重による「東海道五十三次」の神奈川・台之景にも描かれています。
幕末の頃、文久三年(1863年)に、初代の晝間弥平衛が料亭「田中家」を創業して以来150年の現在まで営業を続けています。
かつて料亭街としてにぎわった神奈川宿ですが、現在では、「田中家」ただ一軒を残すのみとなりました。
幕末の志士、坂本竜馬の妻おりょうは、龍馬亡きあと、「田中家」で住み込みの仲居として、明治7年、勝海舟の紹介で働いていたと伝えられています。
月琴を弾くこともでき、英語も話せたおりょうは、外国人の接待に重宝されていました。
また酒もよく飲み、物怖じしないまっすぐな性格が、お客に評判だったといいます。
横須賀に嫁いでいき、「田中家」をやめたあとも、ひいき客からいつまでも話題に上ったということです。
龍馬からおりょうにあてた恋文が、今も「田中家」に残っています。
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